さて今度は町の人々に関してのしつこい言及です。
テラネの住人に関しては、テラネスタート以外で把握するのはほぼ不可能。何故なら彼ら、取繕う事に関しては天下一品だからです。流石宿場町。
と、これは冗談でもなんでもなくて、唯一テラネスタートの場合、スタートイベントの最中でのみきけるセリフの量が結構あるのです。多分普通のセリフよりもずっと多い。
しかも、テラネスタートでのみキーキャラになりうる、ボンガ夫妻のセリフっていうのは実はたいした数もなければ、そんなに変わった事も言ってなくて、むしろ名無しの住人のほうが恐ろしい事になってました。このへんの細やかさ、こだわりは凄いですね。
さて、ではボンガ夫妻からなんですけど、彼らははっきりいって言ってる事変わりません。それは彼らのキャラクタ性によるもの(=他所ものだからといって態度を変えることがない)からくるんでしょう。他スタート主人公に対しても、唯一気さくに接してくれますね。ギルド、道具屋、酒場といったゲーム中の基本的な設備の基本メッセージを喋る連中以外で、まともに会話をしてくれる数少ない人達。
ボンガ夫妻の他に対応が全くもって変わらない人物は他にもいるんですが、ヴァンの両親と神官、なので、今回は割愛。
では問題の名無し住人。
最初は広場をうろうろしている中年親父。ゲーム中ではただ「おじさん」と表記されます。
『お前もナッジも孤児だ。だからまぁ、気に入らないことも多いんだろう。
お前たちが厄介なことをするのもお前たちが悪いんじゃない。
うんうん、私にはわかってるよ』
『お前もナッジも孤児だ。だからまぁ、気に入らないことも多いんだろう。
しかも、ナッジときた日には、人間じゃない、コーンスだ。
素直になれんのも仕方ないか』
『しょうがないのかもしれんが、そんなに神官様や宿屋のご亭主に
反発しなくてもいいんじゃないかね?
奥に住んでるボンガ夫妻にしか心を開かないんじゃ、よくないよ』
余計なお世話です
押し付けがましく厚かましき素晴らしきセリフの数々。
まあ、わかりやすく偽善者ですね。わかっているんだよという態度を取りながら、かといって受け入れてくれてるのかというと微妙。
町の実力者(=ヴァン父と神官)には逆らえないんだけど、かといって目の敵にするにはちょっと良心がとがめます系。
スタートイベント以外では「ああ。○○○(主人公名)か……」としか喋りません。*テラネスタートの場合
ではもう一人偽善者を。ボツ設定で「偽善者たち」と書かれておりまして実は笑ってしまった、ゲーム中では「肝っ玉かあちゃん」と表記されます、ナッジと主人公の小屋に向かう場所付近にいる井戸端会議おばちゃんその1。
『あたしゃ知ってるよ。宿屋で女魔道士の着替えのぞいてたの
あんたらじゃないんだろ?
なんでちゃんと言いわけしないかねぇ。
そんなんだから、厄介者あつかいされるのさ』
『教会で食い物をくすねたの、神官様はあんたらだって言ってたけど、
あれ、ピクシーの仕業だったんだろ?
あたしゃ知ってるよ。あんたらがそのピクシーを街から追い出してくれたことをさ』
『教会で食い物をくすねたの、神官様はあんたらだって言ってたけど、
あれ、ピクシーの仕業だったんだろ?
なんでちゃんと言いわけしないかねぇ。
そんなんだから、厄介者あつかいされるのさ』
『あたしゃ知ってるよ。あんたはちゃんとした子だって。
ちゃんと街で暮らせばいいのに。
一緒にいるコーンスの子はムリかもしれないけど、
あんたはちゃんとした人間なんだし』
余計なお世話で(ry
というかおじさんと同じくらい実はタチ悪いよなこのおばちゃん…このおばちゃんにしろおじさんにしろ、差別意識バリバリで、更には余計な教育精神だけはバリバリのくせ、具体的に面倒を見てくれるわけではないところがポイント。
つまりは、面倒ごと(この場合はやっぱりヴァン父や神官から睨まれる)に巻き込まれない程度にはフォローはしてくれても、実際に日常的なレベルで援助をしてくれてるわけではないだろうな、ということ。もしも本当に彼らがナッジやテラネ主の事を心配してくれているのであれば、動いてくれてもいい筈なんですけど、実力者に睨まれるのが恐ろしいのでそれも出来ず、ただ放置するには以下略 という、まあどうしようもないっちゃどうしようもないんでしょうが、なんだかな、と思わせて下さる。
差別意識に関しては、おじさんよりもこのおばさんの方がタチ悪いこと言ってるよなあ…彼女は、他スタート主人公だといかにも自分はそんな種族差別はしませんよ的な事いってるし、デフォルトメッセージではナッジを気遣ってる風なセリフですので、素か。 悪意がない発言か。……………ほんっとタチ悪いね………?
あとはあえて記すレベルでもないので簡略バージョンで。
噂好きおばさん→地震に関して。また、ガルドランに関して、やっぱり如何にも閉鎖的な町の主婦といった感じのセリフ「いやねえ、ああいう手合いは」
町の人間以外だと、酒場と道具屋、ギルド、教会にいる連中なんですが、こちらもとりたてて珍しい事言ってませんのでパス。
何がやりたかったのかって、ようはこの二人のセリフがあんまりにも面白すぎて書かずにはいられなかったわけです。
特に後者のおばちゃんに関しては、通常ゲームをプレイしてたのであればわからない側面がかなり描かれていると思います。ただこの二人は、テラネに置いてははみ出しもののナッジ(とテラネ主)に対して好意的な人物でしょう。テラネ主に関しては、やはりみなしごとはいえ人間なので、同情的な声は他にも見られたのですが、ナッジに関してはもう全滅。ここまでくると強烈だなあ。
まぁただ、この他種族に対して排他的なのは、何もテラネに限ったことではなく、といいますかバイアシオン大陸に於ける人間以外の蔑視は至る所に見られまますし。蔑視、までいかないかな…ただ政治的中枢に存在するのが人間ばかり、というのもそのへんの象徴的な事象なのではないでしょうか。学問分野ではコーンス、産業分野でドワーフやボルダンといった部分的に他種族の進出も見られないわけではありませんけど、例外的と考えた方が妥当でしょうね。ボルダンとリルビーくらいじゃないでしょうか、そんじょそこらで見かけるのは。
さてこのテラネ人物考察、もう少し続きます。
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[06.06.23初出]/[09.10.09改稿]