「はぁっ、はっ……」
薄暗い天幕の中で、荒く甘い呼気が満ちる。狭い空間の中、独特の濃密な空気に支配されて、ドロテアは己の豊満な乳房を揺らして口を半開きにし、腰を動かしていた。
戦のあとは身体が疼き、高揚してしまう――そんな噂を聞いたことはあったが、自分が当てはまるとは思わなかった。そもそも、戦は嫌いだ。だから直接手を下さない魔道を極めた。というのに、身体は嫌でも反応する。そもそも自分はそんなに淫乱な性質だったという覚えはない――むしろ身持ちは硬かったのだ。確かに貴族相手に自らの身体をひけらかし、誘ったことはある。けれども抱かれた経験などは実はない。そういう意味でドロテアの身体は綺麗なままなのだ。
「あ、カスパル……くん……」
意中の相手、といっていいのかどうかもわからない嘗ての同級生の名を呼ぶと、身体はすぐさま呼応して反応し、秘所を荒々しい男の指先で蹂躙されたらと想像して指を突き入れるとびくりと腰が跳ねる。これがもし彼の武骨な指ならば……否、想像だけの、太く熱い性器ならば……妄想はとどまるところを知らず、ドロテアは乱暴に秘所をかき混ぜる。
「んっ、んぁんっ……あ、いい……っ!!」
同時にぷっくりと立ち上がってきた乳輪をひっかき、熱のこもった乳首に爪を立てるとびりびりとした刺激が背筋から下腹部にかけて走り、ドロテアは軽く意識を飛ばした。はぁ、と甘く熱い吐息とともに、とぷり、と愛液が秘所から零れ落ち、白い太ももを穢す。
「おーいドロテア、先生が呼んで……?!」
そんな時、何の前触れもなく天幕が開かれ、件のカスパルが現れた。しかも都合よくというか、鎧を脱いだラフな格好でだ。ドロテアの翆の瞳が見開かれ、ぱくぱくと陸に打ち上げられた魚のように口を開閉して空気を吸うので精いっぱいだった。揺れる乳房、秘所に宛がわれた指、どうあがいても言い訳はできない。
「あ、あ……ドロテア……その……」
わるかった、と小声でつぶやき慌てて去ろうとするカスパルに「カスパルくん!」と必死の声でドロテアは引き留める。
こんな場面を見られたという言い訳をしたかったのか、それ以外の目的があったのか、或いは両方か。
少なくともドロテアに、カスパルを逃がす選択肢はなかった。
「ね、ねえ……カスパルくん……戦いの後って、火照るのね……ねえ、私の事、抱いて……お願い」
「い、いや、だって、お前、その……オレたち、付き合ってるわけじゃないし……」
「ふうん、カスパルくんて、据え膳でも食べない性質なんだ……男の子、じゃないのね」
自分にも余裕なんてなかったが、カスパル相手にそんな余裕のなさを見せるのは癪だった。だから挑発するように言えば、カスパルがくるりと天幕の入り口で身体の向きを変える。その眼差しは、ドロテアの剥き出しになったたっぷりの乳房に注がれている。ドロテアはにっこり笑うと、たっぷりの乳房を強調するように両腕で持ち上げてたぷんと揺らす。すると柔らかな肉はたっぷりと揺れ、ぷくりと立ち上がった大きな乳輪と乳首がぷるりと揺れた。
「……おま、……えろ……」
「へえ。エロいって、思ってくれるんだ?ね、抱いてくれる?カスパルお兄ちゃん?」
「あ、あのな……!!」
言うなりカスパルはドロテアの手を取り胸を武骨な指でがっと掴み揉みしだきだした。その乱暴さに、ドロテアは思わず悲鳴をあげる。
「いった!カスパルくん、こういう時はもう少しデリケートに……!!」
「う、煩いな、余裕ねえんだよ……」
確かに見てみればカスパルの股間は既に盛り上がっていて、その先端は少し濡れている。濃密な天幕内の匂いと、ドロテアの格好で刺激されたのか――それにしても初心で可愛らしい反応をしてくれるな、とドロテアは内心で満面の笑みを浮かべていた。
「にしてもでけーな、マジで……」
「ふふ、私のおっぱい、好きにしていいのよ……」
「やわらけー……な、なあ、顔、埋めていいか?」
「え?別にいいけど……」
そんな事より早く乳首を触ったり、アソコを触って欲しいのだけど、とは流石にいえず、カスパルの好きなようにさせることにした。するとカスパルは嬉しそうにドロテアの胸に顔を埋めながら乳房を揉みだした。
「あんっ、ちょ、ちょっとっ!」
「ふへへ……温かくて気持ちいな~」
そう言いながら武骨な指が乳輪に触れた瞬間、快楽が乳房から走り、ドロテアは腰を動かす。
「カ、カスパルくん……」
「ん?」
「おっぱいはいいから……」
「あ、ああ……ちんこの方が欲しいのか?」
「……もうっ!そういう言いかたしないで!」
「はは、悪いな、オレ、こういうの初めてでさ!」
想定はしていたが、まさか本当に童貞だとは思っていなかった。カスパルの性格からして娼婦を買うということをしなさそうだし、そもそも性欲とは無縁なようには見えるが、まさかここまでとは。
「全く、……流石に、挿れる場所がわからない、とかはないわよね」
「ああ、わかるぜ!女のまんこに挿れればいいんだよな!」
「あー……もう!わかったわ。私がやるから……!!」
半ば叫ぶようにそう言うと、ドロテアはカスパルを強引にその場に押し倒して、早急に下半身を引ん剝く。想像通り、カスパルのモノは立派にそそり立ち、衣服を剥いだ瞬間にぶるんと飛び出てきて、グロテスクなほどに血管が脈打っていた。この、熱いものが私のナカに……そう考えるだけで、ドロテアの乳首には快楽が奔り、奥からトロリと愛液が漏れてくる。
「ふふ、どう?女の子のココ……見るの、初めてでしょ……?」
そのまま秘唇に細い指先をあてがい、広げてみせた。とろとろの透明の愛液が、カスパルのそそり立っている肉棒の先端部分にトロリと零れ落ちる。その様を見たカスパルの目が見開かれ、わなわなと薄い唇いが震えた。
「おま、えろ……」
カスパルの言葉に満足したドロテアは、小さく笑うと、ぐるりと秘唇を指でなぞる様に動かしてから、腰をゆっくりと落としていった。
「カスパルくん……挿れるわよ……」
「うわ、ま、まてって、……おま……」
カスパルの上擦った声を他所に、ドロテアは自ら秘所を広げ、カスパルに見せつける様に腰を動かしながら、カスパルの屹立する肉棒を己の胎内に埋めていった。
「んっ……」
異物を挿入するのは初めてだから、流石にキツい。けれども、自慰で既に蕩けていたドロテアの胎内は侵入する熱い肉棒を歓迎し、膣壁が自ずと蠢いて自重と共にカスパルのモノを飲み込んでいった。そこに若干の痛みは伴ってはいたけれども、とてつもない快楽をそれ以上に拾う。
「あっ、は……あぁ……んっ……きもち……カスパルくんの……あつい……ぁあっ!!」
結合部からくちくちと淫らな音が漏れて、二人の鼓膜を犯す。ドロテアは腰をうねらせながら、気持ちの良いトコロを探した。
「ド、ドロテア……大丈夫か?苦しそう、だぞ……」
「んんっ、だ、大丈夫よ……ぁあっ?!」
ゴリ、と最奥に先端部分が掠めた瞬間、今までにない快楽がドロテアを遅い、秘所からぷしゅ、と潮が噴き出した。
「あぁああああああああああああっ――――――!!!!!!!」
その瞬間、ドロテアは意識をトバした。イったのだ。
けれどまだ、カスパルはイってない。ドロテアは何やら悔しくなり、ぐい、と腰を動かす。
「お、おい、ドロテア!?ちょ、お前……!!」
「カスパルくん、まだイッてないでしょう……?さっさと、私のナカに、出しちゃいなさいよ……?」
にこり、と妖艶に笑いながら、ドロテアはたっぷりの乳房を見せつける様に両腕で抱えて揺らす。カスパルの視線は、ふるふると震えている立ち上がった乳首に注がれているのがわかり、ドロテアの胎内はまたずくり、と疼いた。そして、一度イったからなのか、胎内にカスパルのものを捕らえているということからなのか、若干の余裕がドロテアの心に生まれてきた。
そうるすと、少しの悪戯心が湧いてくる。見ればカスパルは鼻息荒く、息も絶え絶えだ。表情はまるで子供みたいに真っ赤になって、必死に快楽から逃れようとするかのような、何とも言えない情けない顔をしている。その表情にも嗜虐心がそそられた。
「ふふ、カスパルくん……せっかくなら、上も脱いじゃいましょうよ、ね?」
そう言うと、カスパルのシャツにするりと陶器のような手を滑り込ませる。カスパルの筋肉質な肉体は熱を持っていて火照っており、興奮しているのがよくわかった。そのまま手を滑らせて、見事に発達した大胸筋の外側をなぞる様に手を動かし、感触の違う箇所を見つけ出すと、そこに爪を立てる。
「ぅぁっ……、な、なんだ……コレっ?!」
未知の感覚だったのだろう、カスパルは身体を跳ね上げて驚きの声をあげる。
「ふうん、乳首でも感じちゃうタイプ?ふふっ、可愛い……」
そのまま硬くしこりだした乳首を何度も整えられた爪先でつま弾くと、カスパルから呻き声とも嬌声ともとれる何とも言えない声があがってきた。
「ド、ドロテア……それ、やめ……ぅあっ」
「やぁだ、これはね……感じてる、っていうの」
そう言ってピン、と思い切り乳首を弾くと、ドロテアの膣内でカスパルのモノがひときわ大きくなった気がする。
「や、やめ……くっ、……」
そのままくにくにと乳首を弄びながら、片方の手は見事な筋肉を揉みしだいていた。発達した筋肉というのはこうも柔らかいのかとドロテアは妙なところで感心しつつも、きっちりと腰を動かすんも忘れない。
「んふふ……だいぶ感じてるわね……それなら、これはどう?」
ドロテアは赤く腫れあがってしまったカスパルの乳首をピン、と思い切り爪弾いた。
「あぁああっ、くっ、ソレ、やめ……ろって……」1
「いやぁよ、カスパルくん、可愛いもの」
そう怪しく笑って告げながら、ドロテアは腰をゆらゆらと揺らす。ドロテアの収縮する媚肉の胎内で刺激されたカスパルの肉棒は大きく膨れ上がり、ドロテアは下腹部により快楽を感じるように動きを早くしていった。
「うぁっ、あっ、くっ、おまっ、このままじゃ、ナカにっ……」
「んっ、ふふっ、いいの、よっ、ナカにっ、たっぷり、だしてっ」
「だ、だめだ……っ!!」
「ちょっ、カスパルくんッ!?」
ぐい、とドロテアの細腰にカスパルの逞しい手が伸びて、ぐい、と動かされる。その動きで膣内でカスパルの肉棒が荒ぶるが、抵抗するにもカスパルとドロテアではそもそもの力が違いすぎた。
「やぁんっ」
ぐぽんっ、と音がして、カスパルの赤黒い肉棒がドロテアの膣内から抜け出てくる。その先端ははちきれんばかりになっており、外に出た瞬間にたっぷりの精液を吐き出して、カスパルははてた。
「カスパルくん……どうして……私、よかったのに……」
実際、カスパルの子を妊娠するのなら、ナカに出して欲しかった――否、ナカにその子種が欲しかったのだ。熱い子種を注がれ、絶頂したかった。どうせなら。どうせなら好きな人のものが。
「……いや、お前、初めてだろ……オレたち、恋人同士じゃないし……こういうのは、勢いで決めちゃダメだろ。オレ、お前の事、大事な友達だと思ってるから、尚更さ……」
「……ふうん。なら、私のこと、今から大事な恋人、にしてくれない?」
「ドロテア?それって、えっと、つまり……」
「……皆まで言わせるつもり?それとも、嫌だった?
「い、嫌な訳ねぇだろ。そもそも嫌な女とこういうことなんか、オレに出来るか!」
顔を真っ赤にしてそう言うカスパルに、ドロテアはクスリと笑う。こういう始まり方でもいい。そう、この真っ直ぐで飾り気のない青年の事が、ドロテアは好きだったのだから。
「ふふ、嬉しい」
「……まったく、お前ってよくわかんねえやつだな」
「いいの、いいの。これから知って頂戴?」
くすり、と小さく笑うと、ドロテアはカスパルの逞しい胸に顔を寄せる。そのしっとりと濡れた熱っぽい体温に肌を寄せていると、安心出来るような気がしてドロテアは目を閉じた。